今年は49年ぶりに祇園祭の後祭り(あとまつり)が復活した。といっても僕が物心ついた時にはすでに一本化されて行われていたので後祭りは初めての経験。
本来、先祭りの巡行は7月17日の神幸祭に、後祭りの巡行は7月24日の還幸祭に合わせて行われていたのだそう。
「信仰か観光か」というよく出来たダジャレのような議論の末一本化されたものが本来の形に戻ったということ。
先祭りの宵山行事中は歩行者天国に露店が立ち並び従来通りの夏祭りの様相ですが、後祭りはそういったものがありません。
先祭りと比べると人も少なめなので、純粋に祇園祭と京都文化の奥深さに触れたいなら後祭りのほうがいいんじゃないかという気がします。
祇園祭の山鉾はたくさんの懸装品で飾られています。それら一つ一つが「国宝級」などという言葉でも言い尽くせない世界的な価値のあるお宝なのです。
宵山行事の間中それらは町家で公開され間近に見ることができます。
鯉山の懸装品、ペルシャ絨毯のタペストリー。
同じく伝説の名工、左甚五郎作の木彫の鯉。
本来は美術館でガラス越しに見るべきようなものがこんな間近に。
さて、今回の後祭りに合わせて約150年ぶりに復活した「大船鉾」。
後祭りに建つ十基の山鉾の内、唯一の鉾でもあります。(後の九基はすべて山)
もとの大船鉾は幕末の蛤御門の変で焼失したのだそう。本体は新築であるがご神体や懸装品の一部は焼失を逃れた当時のもの。
他の山鉾と比べてもとても大きく感じる。道幅の狭い新町通いっぱいに建てられているのでとても全景を写真に収められませんでした。
関係ないけど、せっかく祇園祭を本来の姿で継承するのなら、新町通と室町通は電柱を地中化してスッキリした空の下で山鉾が見れたらいいのにね。
- 執筆者: a-ki
- 最終更新日: 2019/02/02