絶対不可能と言われたリンゴの無農薬栽培に成功した木村秋則さんの記録。
不覚にも泣いちまいました(TT)
農薬に弱い奥さんのためにとはじめたリンゴの無農薬栽培。
最初はどうにかなるだろう、駄目ならまた農薬を撒けばいいと軽い気持ちで始めてはみたもののそれは想像を絶する地獄の始まりでした。
害虫と病気に痛めつけられたリンゴの木は次々に立ち枯れ、世がバブル景気に浮かれているのを尻目に、収入はなく家族は貧困のどん底につき落とされます。
ついには死を決意し首を吊ろうと入った山の中で出会った一本のどんぐりの木が奇跡の始まりでした。
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僕の中学時代からの親友で農業をやっている男がいます。
決して勉強が出来るわけでなく、本を読む時間があれば腕立て伏せをしているほうが良いと言う筋肉バカなのですが、その彼が今年の正月にあった時「是非読んでくれ」とすすめたのがこの本でした。後にも先にも彼が本をすすめるなんて最初で最後でしょう。
彼はもともと調理師で別に家が農家というわけでもなく、自発的に農業を職業とすることを選びました。
その彼が実践している農法がまさにこの木村さんと同じ「自然農法」。
僕も含めて無責任な消費者は簡単に「無農薬、有機栽培」といった言葉に踊らされますが、作っている当の農家にとってそれらは簡単なことではないのです。
周りがすべて農薬を使う畑の中で一軒の農家だけが無農薬を始めるとどうなるか。
土地のつながっている環境で自分が農薬を使わなくてもとなりの畑の農薬の影響を受けます。逆に自分が農薬を使わないことで発生させた害虫や病気でまわりに迷惑をかければその土地で生きて行くことは困難になります。
もちろん自然な栽培方法で収穫された作物は規格がそろわず商品になる確率も当然減り、せっかく作っても家族を支えるだけの収入を得ることがままならないのです。
それでもなぜやるのか?
単なる使命感というだけではとても説明がつきません。
それはもう、神様が彼らに与えた運命としか言いようがないですね。
願わくば彼らの努力が報われて安全で豊かな食生活を取り戻す日が来ることを願うばかりです。
幸い木村さんが作った「奇跡のリンゴ」は入手困難なほどの人気だそうです。
そして僕の親友はというと・・・。
相変わらず貧乏ですが人一倍元気ですw
不景気でピーピー愚痴をこぼしている僕らに比べれば憎たらしいくらいに(笑)
- 執筆者: a-ki
- 最終更新日: 2020/01/08