立川談笑師匠待望のCD第4弾!今作は2枚組。
「鼠穴・改」「叙々苑」「看板のピン」「片棒・改」の4作が収められています。
今作の目玉は「鼠穴・改」。師匠立川談志の十八番でもある「鼠穴」の主人公を華僑の兄弟にした力作。CDタイトルの「福建より愛をこめて」はこの兄弟が福建出身という設定から。
初演とは思えぬ鬼気迫るクライマックスの迫力は師匠談志や兄弟子の志の輔を彷彿とさせます。
ただ、改作というものは難しい物で、一歩まちがうとパロディーになっちゃいます。パロディーというものは原作を知っているからこそ面白さが際立つもので、今回の「鼠穴・改」は談笑流の古典改作の中では珍しくパロディーに近いもののように思います。
もちろんパロディーが悪いというわけではありませんが、噺の途中から「夢は五臓(土蔵)の疲れ」というサゲは、どう処理すんだ?っていうのが気になって気になって。。。
そこはそれ「さすが談笑」と思えるまとめ方でスバラシイのですが、できれば、もうちょっとこなれてからもう一度聞きたいと思ってしまいました。
他の三作は安心して聴けるものばかり。
江戸時代の高級料亭「百川」を現代の高級焼肉店に置き換えた「叙々苑」や、エキセントリックで危ない発言をする3兄弟をフィーチャーした「片棒・改」は、本来の原作を知らないまま聞いても引くくらい十二分に面白い。
本来の談笑落語の面白さは、古典落語を現代人にも分かるように設定を変えて表現するところ。原作となる古典落語を知らなければ笑えないパロディーではないのです。
ちょっと落語を知ってる風な言い回しになりましたが、落語を知らなくても爆笑できる。そんな談笑落語が僕は大好きです。
- 執筆者: a-ki
- 最終更新日: 2019/02/02